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論文 · arXiv 2201.11903

Chain-of-Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models

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3行まとめ

  1. 🎯 標準的なfew-shotプロンプティングは複雑なマルチステップ推論(算術・常識・記号推論)に失敗し、スケーリング曲線も平坦になる。
  2. 🔧 最終回答を予測する前に、自然言語による中間推論ステップのシーケンスである思考の連鎖(chain of thought)をfew-shotの例示に追加する手法を提案。
  3. 📈 8個のchain-of-thought例示を用いたPaLM 540BはGSM8Kで56.9%の精度(外部計算機併用で58.6%)を達成し、検証器付きのファインチューニング済みGPT-3を上回った。

概要

本研究では、一連の中間推論ステップである「思考の連鎖(chain of thought)」を生成することで、大規模言語モデルの複雑な推論能力がどのように大幅向上するかを探究する。特に、プロンプト内で思考の連鎖を含む少数の例示を提示する手法「chain of thought prompting」により、十分に大規模な言語モデルにおいてこうした推論能力が自然に創発(emerge)することを示す。3つの大規模言語モデルを用いた実験の結果、chain of thought promptingは算術、常識、記号的推論を含む多様なタスクで性能を向上させることが明らかになった。その実証的な向上幅は極めて大きい。例えば、わずか8個の思考の連鎖の例示を用いて540Bパラメータの言語モデルにプロンプトを与えるだけで、数学文章題のベンチマークであるGSM8KにおいてSoTA(state of the art)の精度を達成し、検証器付きでファインチューニングされたGPT-3をも上回った。

英語の原文概要

We explore how generating a chain of thought -- a series of intermediate reasoning steps -- significantly improves the ability of large language models to perform complex reasoning. In particular, we show how such reasoning abilities emerge naturally in sufficiently large language models via a simple method called chain of thought prompting, where a few chain of thought demonstrations are provided as exemplars in prompting. Experiments on three large language models show that chain of thought prompting improves performance on a range of arithmetic, commonsense, and symbolic reasoning tasks. The empirical gains can be striking. For instance, prompting a 540B-parameter language model with just eight chain of thought exemplars achieves state of the art accuracy on the GSM8K benchmark of math word problems, surpassing even finetuned GPT-3 with a verifier.

論文解説

問題設定と動機

標準的なfew-shotプロンプティングは言語モデルに入出力の例示を与えることで、多くの直接的な質問応答タスクで高い性能を発揮する。しかし、小学校レベルの算術、マルチホップな常識推論、記号操作といったマルチステップ推論タスクでは、標準的なプロンプティングのもとでモデルサイズをスケールさせてもスケーリング曲線が平坦になり、性能が伸び悩むことが多い。マルチステップ問題を解決しようとする従来のアプローチは、専用の根拠(rationale)モデルの訓練/ファインチューニング(コストの高い大量の教師あり推論データが必要)か、形式的なニューロシンボリック表現のいずれかに依存していた。本論文は、パラメータの更新を一切行わずに、汎用言語モデルがコンテキスト内(in-context)だけでマルチステップ推論を完遂できるかを検証する。

主要なアイデア

  • 思考の連鎖による分解(Chain-of-Thought Decomposition): 人間は答えを導く前に、複雑な問題を一連の推論ステップに分解する。言語モデルも、 という三つ組で構成されたコンテキスト内デモンストレーションによって誘導されることで、この挙動を模倣できる。
  • スケールによる創発(Emergence at Scale): chain-of-thought (CoT) プロンプティングは、小規模なモデル( パラメータ)では有意義な改善をもたらさず、むしろ性能を低下させることが多い。この手法が有効な能力として創発するのは、 パラメータ以上のモデルに限られる。
  • 可変の中間計算(Variable Intermediate Computation): 自然言語トークンを生成することにより、モデルは(自己回帰的なトークン生成を通じて)難易度の高いマルチステップ問題に対して動的により多くの計算資源を割り当てることができる。これは直接回答を予測する手法では不可能である。

手法(主要な数式を含む)

本手法はfew-shotプロンプティングのパラダイムを修正するものである。入力と出力のペア でプロンプトを構成し、モデルが直接 を計算する標準的な手法: に対して、chain-of-thoughtプロンプティングは最終回答の前に自然言語の推論連鎖 を挿入する: テスト入力 に対する推論時において、モデルは推論連鎖と回答の両方を自己回帰的に生成する: 算術ベンチマークにおいて、著者らは事後的な外部計算機による拡張も評価している。 の内部で生成された数式をPythonの eval で評価し、その結果を文字列マッチングによって後続のテキストへ伝播させることで、算術計算ミスを防ぐ。

結果(最も重要な数値)

  • 算術推論 (GSM8K): GSM8Kにおいて、PaLM 540Bの標準プロンプティングは17.9%にとどまるのに対し、8-shot CoTプロンプティングは56.9%(外部計算機併用で58.6%)を達成し、検証器を用いたファインチューニング済みGPT-3 175Bによる従来の教師あり最高記録55%を上回った。Codexは63.1%(計算機併用で65.4%)を達成した。
  • その他の数学ベンチマーク: PaLM 540Bは、SVAMPで79.0%(標準は69.4%)、ASDivで73.9%(標準は72.1%)、AQuAで35.8%(標準は25.2%)、MAWPSで93.3%(標準は79.2%)に達した。
  • 常識推論: PaLM 540B CoTはStrategyQAで75.6%(標準は68.6%、従来の教師あり最高は69.4%)と新たなSoTAを樹立し、Sports Understandingではスポーツ愛好家の人間を上回った(95.4% vs. 84.0%)。
  • 記号操作と長さの汎化: 最後の文字の連結(last-letter concatenation)タスクにおいて、PaLM 540Bはドメイン内(2単語)で7.6%(標準)から99.4%(CoT)へと向上した。ドメイン外となる4単語でテストした場合、標準プロンプティングは0.0%に急落するが、CoTは63.0%の精度を維持した。
  • アブレーション実験: LaMDA 137Bによるアブレーション実験では、「数式のみ(equation only)」のプロンプティング(GSM8Kで5.4%)、「ドットによる可変計算量のみ(variable compute only)」(6.4%)、「回答後の推論(reasoning after answer)」(6.1%)はいずれも標準のCoTプロンプティング(14.3%)に及ばず、回答の前に自然言語の中間ステップを挟むことが不可欠であることが確認された。

限界と未解決の課題

  • 事実に基づいた推論の非保証: 生成された推論連鎖は、不正確、意味的に欠陥がある、またはハルシネーションを起こしている場合があり、偶然正しい答えに行き着くこともある(特に二値分類や多肢選択形式において顕著)。
  • モデル規模の制約: この手法が安定して機能するには 以上のパラメータを持つモデルが必要となるため、本番環境での運用コストが高い。
  • 真の推論に関する未解決問題: 人間の思考過程を模倣することが、基底にあるニューラル表現が形式的な推論を実行していることの証明にはならないと本論文でも指摘されている。

重要用語

chain of thought
問題の最終回答を予測する前に生成される、自然言語による一連の一貫した中間推論ステップ。
chain-of-thought prompting
モデルの重みを更新することなく、few-shotの例示を入力・中間推論連鎖・出力の三つ組としてフォーマットするプロンプティング戦略。
emergent ability
小規模な言語モデルでは存在しないか性能低下を招き、モデルの規模がある閾値(約100Bパラメータ)を超えたときに初めて現れる能力。
GSM8K
解くために2〜8ステップの算術計算を必要とする、高品質な小学校レベルの数学文章題1,319問からなるベンチマーク。
standard prompting
例示が入力と最終出力のペアのみで構成される、標準的なfew-shotインコンテキスト学習の設定。
length generalization
few-shotの例示で提示されたものよりも多くのステップ数や長いシーケンス長を含む推論連鎖に対して、テスト時にモデルが正しく処理できる能力。
external calculator
生成された思考の連鎖から数式を抽出し、Pythonのevalで実行して、その結果で後続のテキストを更新する事後評価メカニズム。
variable compute
より難易度の高い問題に対してより多くの計算を割り当てられるように、中間生成トークンの数を可変に割り当てること。

よくある質問

なぜ小規模な言語モデルではchain-of-thought promptingが機能しないのですか?

約10Bパラメータ未満のモデルは、流暢ではあるものの非論理的または反復的な推論連鎖を生成しがちであり、基本的な記号マッピングや算術計算にも苦戦するため、直接回答を出力する場合よりも性能が低下します。

chain-of-thought promptingは、プロンプトの言いまわしやアノテーターの違いにどの程度影響されますか?

アノテーターやプロンプトのスタイルによって正確な精度にはばらつきがあるものの、3人の独立したアノテーターとGSM8Kからのランダムサンプルを用いた実験では、すべてのCoTバリアントが一貫して標準プロンプティングを大差で上回ることが示されています。

数式を直接生成させることでも、自然言語推論と同じ効果が得られますか?

いいえ。GSM8Kのような複雑なデータセットでは、LaMDA 137BにおいてCoTが14.3%を達成したのに対し、数式のみのプロンプティングは5.4%の精度にとどまりました。中間的な自然言語ステップがないと、問題を1つの数式へ意味的に変換することが難しすぎるためです。

思考の連鎖は、言語モデルがプロンプトで提示されたよりも長い入力へ汎化するのに役立ちますか?

はい。最後の文字の連結やコイントスのような記号タスクにおいて、プロンプトが2ステップのシーケンスしか示していない場合でも、CoTを用いることでPaLM 540Bなどのモデルはドメイン外となる3ステップや4ステップの入力に汎化できるようになります。

このページの解説は AI が論文から作成したもので、誤りを含む場合があります。詳細は原文をご確認ください。

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